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合成樹脂用語集(試験・物性編) |
かさ比重 Bulk Specific gravity |
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物体の真の比重ではなく見掛け比重のことである。
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A |
例えば粉体材料や発泡プラスチックのように気孔や気泡,空隙などを多く含む物質の重さ(g)をそのかさ容積(cm3)で除(割算)した数値をいう。
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ガス透過率 Gass transmission rate, Gass permeability |
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プラスチックフィルムやシートなどを酸素,水素,窒素などのガスが透過する速度を表わす数値である。
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A |
一般には気体透過率試験機を用いて測定し,mℓ/u, 24hr・atmの単位で示す。(ASTM D 1434)
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ガラス転移点 Glass transition Temperature |
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プラスチックは,常温で固体のときは,長い分子が絡みあって凍結状態でしっかり固まっているが,温度を上げていくにつれて,長い分子が部分的に熱運動により,動き始める。このあたりが“ガラス転移点(二次転移点)”と呼ばれており,更に温度を上げていくと分子が自由に動きはじめる。
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A |
この現象をガラス転移点又はガラス転移温度と呼びTg (Temperature Glass)という記号で表わす。
〈解説〉二次転移点(ガラス転移点:Tg)について
・分子量が大きくなると一般に融点は高くなる。これは分子量が大きくなるにつれ,分子自体のずう体が大きくなるので,簡単に動けなくなるからである。この分子自体が自由に動きまわれる状態になる前に,(長いずう体であるから)部分的に脈動する状態(ミクロブラウン運動という)がある。“蛇が完全に冬眠状態に入っている状況から次第に身体をゆさぶり始め,最後に自由に動きまわる状態を連想”すると,この冬眠状態から醒て身体の一部だけ動かし始める温度が二次転移点(ガラス転移点Tgともいう)ということになる。
・現象としては,ガラス状の固体からゴム状の状態に変化する。
〈参考〉 一次転移点について
・熱力学という学問では,融点や沸点のように気,液,固体の状態が変わる点を「一次転移点」といい,これほどの激しい変化ではないが熱エネルギーの変化する点を「二次転移点」という。「ガラス転移点」は後者に似ているところから二次転移点と呼ぱれるが厳密にいうと正しくない。
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カール Curl |
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フィルム,成形品の反り現象をいう。
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A |
例えば,Tダイフィルムが押出方向に直角にフィルム端が反り又は巻込むようになったりすることなどに使われる。
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揮発分 Volatile matter |
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物体中の揮発性物質め含有率をいう。
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A |
物体を一定温度において一定時間放置したときの重量減と原重量との比を百分率で示す。
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吸水率 Water absorption |
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物体を一定温度で一定時間蒸留水に浸漬し,そのときの重量増加分と元重量との比を百分率で表わしたものを“吸水率”という。
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A |
物体の単位表面積当りの吸水量で吸水率を表わすこともある。沸とう水を用いて試験する場合には,“煮沸吸水率”ともいう。
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くもり度 Haze |
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透明なプラスチックの内部又は表面の不明瞭なくもり様の外観をいう。 くもり価(%)=(Td/Tt)×100 ただし,Td :拡散透過光量 Tt :全光線透過率
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クラック Crack |
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成形品が内部応力,外部衝撃あるいは環境などの影響を受けて生じた割れをいう。
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A |
プラスチック製品の欠陥の一つである。
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クリープ Creep |
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プラスチックに一定の荷重を加えて放置しておくと,変形が時間とともに増加してゆくこのような現象を“クリープ”という。
〈解説〉
a. プラスチックは粘弾性が大きいので,弾性限界内の小さな荷重でも長時間加えておくと流れる現象が起こり次第に変形する。
b. クリープを定義づけると,「物体に一定の外力をかけたままにしておくと,無限に変形をつづける」ということになる。〔ズボンにしわのできるのは,繊維のクリープの結果である。〕
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クレージング Crazing |
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プラスチックの場合は製品が内部応力のために,ひの表面又は内部に生じた細かい割れをいう。分子鎖としてはつながっている部分があるのでクラックと区別されている。
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A |
ゴムの場合は一般に製品の表面に日光酸化によって発生する微細な亀甲状のひびをいう。
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結晶 Crystal |
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高分子化合物において,原子や分子が規則正しく配列した状態を「結晶」という。
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A |
プラスチックは多少なりとも結晶性をもち,ポリ塩化ビニル(PVC)のように結晶性の低いものでも20%程度の結晶部分がある。
〈参考〉
天然ゴムは,結晶部分の全くないもつれあった集合体である。一方,繊維になるとプラスチックよりも結晶度が高く,ナイロンでは最高70%, セルロースでは90%にも達する。
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ゲル Gel |
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コロイド状溶液の蒸発,冷却又は化学反応によってコロイド粒子間になんらかのつながりが生じて系全体がゼリー状の半固体ないし固体になり剛性をもつようになったものをいう。
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高化式フローテスター Koka flowtester |
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高分子化学会で考案したプラスチックの動的な流動性をみる試験装置でポリカーボネート等に使用されている。
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A |
プランジャー加圧式による押出型可塑度計の一種である。
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B |
加熱シリンダー内に充てんされた試料を一定荷重(10〜500kg/cu)下に置き,一定速度の温度(1,3,6℃/min)で加熱(80〜329℃まで調節可能)すると,試料はシリンダー底部のノズルから押出される。このときのプランジャーの移動を経時的に自動記録し,この結果から流動性が得られる。
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剛性 Rigidity |
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物質の弾性率の一つであり,“実用的には腰の強さ,こわさ(例:曲げにくい,伸びにくい)”として取り扱われる。
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A |
一般に弾性限度内において材料が受けた引張り,曲げ,せん断,ねじれなどの応力を材料に生じたひずみで除した値をいう。
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B |
この値の大きい材料ほど,一定荷重に対する変形が小さい。
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光線透過率 Light transmission |
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透明プラスチックの光線透過度,可視光線及び紫外線について入射光量と試験片を通った全光量との比を百分率で示す。
光線透過率(%)=(T2/T1)*100 ただし、T2 : 全光線透過量 T1 : 入射光量
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光沢 Gloss |
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光沢は物体表面に光を当てたときの輝き,又は,つやをいう。
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A |
試験法標準光沢板を使用し,試料面凸凹を定量的に測定する。試料面に,標準光源からの光の規定角度で当て,その反射成分を受光器で測定する。
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B |
製品の外観を左右し,値が大きいものほど光沢(つや)が良い。
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