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合成樹脂用語集(樹脂一般知識) |
アイオノマー樹脂 Ionomer |
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“イオン橋かけ結合”をもつポリマーの総称であり,イオンを意味する〈lon〉と単位を意味する〈mer〉との合成語である。
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A |
イオンの種類によってポリマーの物性が異なる。透明で,高温軟化時の強度,耐溶剤性に優れた熱可塑性樹脂である。
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B |
エチレン,プ・ピレンなどのα−オレフィンと,アクリル酸,メタクリル酸,マレイン酸などの不飽和カルボン酸を共重合して,重合体側鎖のカルボキシン基を,Na+, K+, Ag+, Cu++, Ca++, Ba++, Zn++, Fe++, などのカチオン(陽電気を帯るイオン)で中和,架橋したものである。
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C |
容器,パイプなどにした場合の耐圧力性はプラスチックの中で最大級といわれる。更に接着性があり,ポリエチレンと同様に前処理しないでも高速でラミネートができる。
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D |
最初に企業化したのはデュポン社(米国)で商品名はサーリンAである。
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E |
アイオノマーは一口にいえば“透明ポリエチレン”である。
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アクリル樹脂(PMMA) Acrylic resin |
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別名“MMA”ともいう。
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A |
アクリル酸及びその誘導体を重合して得られる樹脂の総称である。アクリル酸,アクリル酸エステル,アクリルアミド,アクリルニトリル,メタクリル酸,メタアクリル酸エステルなどの重合体及び共重合体が含まれる。
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B |
これらのうちアクリル酸エステルの重合体は接着剤,塗料として,メタクリル酸メチルの重合体は耐候性,透明性のよい成形材料として看板,ドーム,照明器具,無機硝子代替等に使用されている。
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アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS) Acrylonitrile styrene resin |
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通常AS又はAS樹脂と呼ぶ(ISO表示ではSANという)。
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A |
スチレンとアクリロニトリルの共重合体で,スチレン系樹脂の一種である。
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B |
一般用ポリスチレン(GP)や耐衝撃性ボリスチレン(HI)のもつ耐油性の欠点を改良するために開発されたもの。
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C |
油脂と接触する部品にも使用でき,弾性率も大きいが,衝撃値は小さい(耐衝撃性ポリスチンに比較して),しかし耐ひびわれ強さは大きく,表面硬さ,熱変形温度が高い。
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アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS) Acrylonitrile butadiene styrene resin |
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通常“ABS”という。
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A |
アクリロニトリル,ブタジエン,スチレンの三元ポリマー(それぞれの誘導体も使われる)で,スチレン系樹脂の一種とも考えられるが,別種の樹脂として扱われることが多い。AS(アクリロニトリルースチレン樹脂)にゴム(ブタジエン系ゴム又はニトリルゴム)をブレンドしたブレンド形,ポリブタジエンの存在下でスチレンとアクリロニトリルをグラフト重合したグラフト形,あるいはグラフト重合一ブレンド形などがある。
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B |
耐衝撃性ポリスチレンの性質とASの性質を兼ねそなえた樹脂で,耐衝撃性ポリスチレンに比較して力学的性質がよく,メッキ(鍍金)を施しやすい樹脂である。
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C |
工業用途における汎用樹脂とブレンドして,その性質の改良に用いられることも多く,特に塩化ビニル樹脂の耐衝撃性の向上のためのブレンドはよく知られている。
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アスベスト Asbestos |
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石綿。繊維状鉱物で,主成分はけい酸マグネシウムである。
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A |
保温や耐火材料に用いる他,フェノール樹脂,メラミン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性プラスチックやシリコン樹脂の耐熱性,耐衝撃性,耐摩耗性などの改良剤として,また塩ビタイルの充てん剤としても広く使われていた。
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B |
発がん物質ということで、国内での使用が禁止された。
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アタクチックポリマー Atactic polymer |
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ポリプロピレンのような鎖状高分子で立体的な分子構造の違いを表現する言葉である。
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A |
ポリプロピレンのような鎖状高分子で立体的な分子構造の違いを表現する言葉である。
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安定剤 Stabilizer |
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プラスチックの加工のとき及びその製品の使用期間中に物理的及び化学的性質が低下するのを防止するために,プラスチック加工の配合時に加える物質を総称して安定剤という。
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A |
代表的なものに熱安定剤,酸化防止剤及び光安定剤がある。
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EPR Ethylene propylene rubber |
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エチレンとプロピレンの共重合体(EPM又はEPR)と、これに第三成分として二重結合をもつ少量の不飽和物を導入したエチレン・プロピレンターポリマー(EPDM又はEPT)の2種類がある。
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A |
第三成分としては,ジシクロペンタジエン,1,4−ヘキサジエンなどか使われている。
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B |
耐候性,耐オゾン,耐熱性,電気的性質の優れた合成ゴムである。
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EPDM Etylene Propylene diene methylene rubber |
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エチレンとプロピレンの系に第3成分として,ジエン類(1分子内に二重結合を二つ有するもの)を加えて得られる三元共重合体をいう。
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A |
熱安定性,耐老化性,耐オソンなどに優れた合成ゴムであり,合成ゴム用途として電線被覆材,各種工業用品として用いられるほかプラスチックの改資材としてポリプロピレンに配合して自動車部品(バンパー等)に使用される。
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EVA Ethylene vinylacetate copolymer |
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エチレンと酢酸ビニルの共重合体で,酢酸ビニルの含量によりプラスチックからゴム状へと変化する。
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A |
一般には酢酸ビニル含量が数%(3〜4%)までのものはポリエチレンの特殊グレードとして取扱われ,酢酸ビニール5%以上のものをEVAとして取扱われる。
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B |
耐オゾン,耐候性が優れ,結合酢ビ量の多いもの(例えば45%)は過酸化物による加硫も可能である。
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A |
弾性プラスチック成形材料,熱溶解型又は感圧接着剤,ワックスの改質材,ブレンドによる他の高分子材料の改質材などに用いられる。
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ウレタン Urethane |
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イソシアネートとアルコールの反応によって生成する化合物で,分子内にウレタン結合-NHCOO-を有するものの総称である。
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A |
ウレタン結合によって生ずる高分子を“ポリウレタン”という。
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B |
ポリウレタンはウレタンフォームとして用いられる量が最も多いが,そのほか接着剤、塗料、繊維としても広く用いられる。
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A |
成形品は極めて強じんで弾力にとみ、耐摩耗性,電気絶縁性も優れており,弾性ベークライトの異名がある。
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APP Atactic Polypropylene |
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ポリプロピレンの製造時に通常のPP (Isotactic Polypropylene <結晶性〉)の副生品として存在するもの。
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A |
最近では製造技術(触媒技術)の進歩によってその副生量は極めて少なくなっている。
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液晶高分子 Liquid crystalline polymer |
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パラヒドロキシ安息香酸とポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした高機能性樹脂である。
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A |
溶融状態で規則構造をとっているので,成形により高配向が得れる。
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B |
高流動,高弾性・高強度,寸法安定性がよいので,光ファイバー部品,電子・電気部品の用途に向いている。
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SMC Sheet molding compound |
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FRP(ガラス繊維などの繊維で強化した熱硬化性樹脂)の一種でフィラー分が少く薄いシート状で,プレス成形に用いられる材料。
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A |
成形品の強度が大きく,トラックのフェンダーや屋外用の椅子,ベンチに使用される。
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FRPとFRTP Fiber Reinforced Plastics &FR Thermo Plastics |
A・・・FRP:ガラス繊維(glass fiber)など強力な繊維で強化した熱硬化樹脂の総称。 〈例〉ガラス繊維強化不飽和ポリエステル,同エポキシ樹脂
B・・・ERTP : ガラズ繊維強化した熱可型性樹脂の総称。〈例〉GF・PP, GF ・ PC. GF・AS. GF ・ PET (射出成形用のPETは通常GFタイプである)GF・PA<ナイロン>
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強化材としてガラス繊維を加えたプラスチックで,代表的な複合材料の一種である。
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A |
熱可塑性プラスチックの場合にはGRTP (Glassreinforced Thermoplastics),熱硬化性プラスチックの場合にはGRPと区分して略称することがある。
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B |
使用される主な樹脂としては,熱可塑性プラスチックにおいてはポリカーボネート,ポリプロピレン,熱硬化性プラスチックとしては不飽和ポリエステル樹脂,フェノール樹脂,主ポキシ樹脂などがある。
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C |
用途としてヘルメット,波板,カメラ,電動工具,自動車部品などがあり,強度特に耐衝撃性に優れている。
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エポキシ樹脂 Epoxy resin |
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エピグルヒドリンとビスフェノール類又は多価アルコール(1分子内にOH基を二つ以上有するもの)との反応により得られる,分子内に2個以上のエポキシ基を有する鎖状縮合体,及びそれをアミン・酸無水物などによって硬化した樹脂である。
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A |
電気的性能,接着力などが特に優れており,塗料・接着剤・注型品・積層品・成形材料など,広く多方面の用途に用いられる。
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エラストマー Elastomer |
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一般にゴム類のような弾性の顕著な高分子材料をいい,これに対し,プラスチックのことを言葉の対比上プラストマー(plastomer)ということがある。
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A |
軟質塩化ビニル樹脂,可塑化ポリビニルアルコールなどもかなりの弾性を有するのでエラストマーに含めることもある。
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塩化ビニリデン樹脂(PVDC) Vinylidene chloride resin, Polyvinylidene chloride |
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塩化ビニリデン(CH2=CCl2)と塩化ビニルあるいはアクリロニトルとの共重合体。
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A |
塩化ビニルとの共重合体は魚網,防虫網,テントなどの繊維製品,包装用フイルム,塗料用ラテックスに用いられている。
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B |
アクリロニトリルとの共重合体はケトン類によく溶け,セロハン,ポリエチレン製品などのコーティング(Kコート)用に用いて,ガス透過性を小さくする効果が大きい。
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C |
PVDCと略称する。
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塩化ビニル樹脂(PVC) Vinyl chloride resin. Polyvinyl chloride |
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塩化ビニルを単独又はこれを主体として他の単量体と共重合した樹脂をいう。
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A |
耐水,耐酸,耐アルカリ性で多くの有機溶剤にも溶けにくい。
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B |
熱可塑性で70〜80°Cで軟化し, 170°C以上で溶融し, 150°C以上,特に190°C以上では激しく塩化水素を放ちながら分解する。樹脂粉末の中に熱安定剤,滑剤,可塑剤,一紫外線安定剤,酸化防止剤,着色剤,充てん材などを配合する。このうち熱安定剤は必ず入れて加工時の熱分解を防止する。
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C |
農業用フィルム,ガーデンホース,壁装紙などの軟質製品があり,硬質製品としてはパイプ,波板,レコードなどがある。
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エンプラ Engineering plastics |
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機械,装置などの部品やハウジング類のように工業的な分野で,主に金属に代わり使用されるプラスチック類の総称である。
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A |
ポリカーボネート,ナイロン,ポリアセタール,PP0,ポリイミドなどの熱可塑性プラスチックや,各種強化プラスチックがこの名で呼ばれる。(エンプラの一つの目安として生産量又は需要量で区別することもあり,年間5万トンを境に少ないものをエンプラ,それ以上を汎用と看倣す場合がある。)
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オリゴマー Oligomer |
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2量体以上の低重合度の重合物の総称で,低重合体と呼ばれ,分子量が通常1,000まで又は10, 000までのものをいう。
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A |
多くは有機溶剤に可溶で蒸溜分離ができる。
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B |
用途として合成ガソリン,合成潤滑油,界面活性剤,接着剤原料,液状イオン交換体などに使われる。
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