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合成樹脂用語集(試験・物性編)
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残留ひずみ Residual strain
@ 成形品(特に射出成形品で顕著)に見られるもので,成形品に成形時のひずみ(下記)が残った状態でいう。
A 成形品内に存在するひずみによって,変形(ねじれ,反り)やクラック(クレージング)強度不足をひきおこすことがある。
B 対策「アニーリング」の項参照。
〈参考〉残留ひずみの種類
・充てんひずみ
金型内のプラスチックが冷却,収縮によってゲート部にオーバー・パッキングされ,せん断応力を生じた状態で硬化するために生成するひずみで,ゲー卜部に亀裂を生じやすいのはこのためである。したがって射出時間を不必要に長くする(或いは射出圧力を不必要に高くする)ことは好ましくない。
・冷却,圧縮ひずみ
複雑な形状を持ち,部分的に肉厚の異なる成形品が不均一な冷却収縮をおこした状態で硬化した場合に発生するひずみをいう。金型構造,成形品デザイン及び温度コントロールに依存する。
・機械的ひずみ
成形操作中における金型のたわみ,及びノックアウトの際の抵抗などの外部の荷重によって生ずるひずみ。
・分子配向ひずみ
プラスチック材料が金型の冷えた表面に接触し・固化しながら流動する際に,せん断応力を生じて鎖状分子は流れ方向に配列する。そのため発生するものである。
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自消性  Self extinguishing
@ 炎に入れると燃焼するが,炎を取り除いたとき自然に消火する性質をいう。
A 正しくは,“自己消火性”という。
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JIS Japanese Industrial Standards
@ 日本工業規格の略称で,日本工業標準調査会が審議している国家規格である。
A JISは鉱工業の種類別に分類され,アルファベットによって表示されている。例えば, JIS K 6911の“K”は化学工業に関するJISであり,プラスチック関係のJISは大部分この中に含まれる。
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食品衛生  Food hygiene
@ 日本では,昭和22年12月24日食品衛生法が別定され食品用容器包装の安全性の確信のために規格化されている。
A 食品用容器包装の規格基準については,欧米諸国でも規制されており,我が国でその規格基準を考える場合,国際基準との整合性についても念頭におく必要がある。
B 食品衛生法では,共通的規格,材質別規格,用途別規格があり,その他自主管理規格がある。
C 国外法規の代表的なものは,アメリカのFDA規格がある。
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ストレスクラッキング  Stresscracking
@ 引張強さより小さい引張応力により,プラスチックの表面あるいは内部に亀裂の生ずることをいう。
A ポリエチレンが液状の界面活性剤と接触するとき(洗剤・シャンプー容器等として使用するに当り)にこのストレスクラッキングが実用上問題となる。
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ぜい化温度  Brittle temperature
@ ぜい化点ともいう。一般にプラスチックは低温にさらされるとぜい性を示すようになり,この現象を“ぜい化”という。
A ぜい性破壊を起す限界の温度をぜい化温度という。
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ぜい性破壊  Brittle fracture
@ じん性(粘り強くて,衝撃によく耐える性質 toughness)の反対に,衝撃に対して弱く,いわゆる“もろい”性質を“ぜい性(脆性, brittleness)”と呼でいる。
A 一般に材料は低温度ではもろくなるが,プラスチック材料のポリエチレンやアセタール樹脂’(デルリン)を除けば低温度では特に弱くなる。この性質を“低温ぜい性”と呼でいる。
B ぜい性によって破断するのを“ぜい性破壊’と呼ぶ。ぜい性破壊は,ユリア樹脂やGPポリスチレンなどの材料にみられる現象(破断面が破損したガラス状)である。
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せん断応力  Shear stress
@ 材料内の接近した平行2面に,大きさ等しく反対の向きに作用し,2面間に互いに滑りを起こす外力を,せん断力といい,この外力に対して材料内に生ずる応力を“せん断応力”という。
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せん断速度  Shear rate
@ 物体が溝や管の中を定常な層流になって流れる場合,“せん断変形”であると見なすことができる(溝や管の壁面に近い層は流れが遅く,溝の上面や管の中心部の層は速度が大きい)すなわち,流れの中に流れに平行な二つの層を想像すると各層はそれぞれ一定の速度で流れに沿って平行に動き,一つの層に対して滑べっているので,流れはせん断変形であると見なすことができる。
A このせん断変形の速度を“せん断速度’といい“速度こう配”と同義語である。
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線膨張率  Coefficient of linear thermal expansion
@ 固体の長さが温度によって変わる割合を表し,温度が1度変化したときの材料の単位長さ当りの長さの変化率で表わしたもの。
A プラスチックの線膨張係数は金属材料に比べて数倍大きい。
B 熱可塑性樹脂でもガラス繊維を充てんしたもの(ERTP)はガラス繊維の含有量とともに膨張係数が著じるしく小さくなる。
C 膨張係数の値は温度の上昇とともに増加する。
〈関連事項〉熱膨張率、体積膨張率、線膨張率
熱膨張率は比容(g/cm3)の逆数,すなわち単位重量あたりの物体の占める容積(cm3/g)の温度的変化をいうものである。したがっで体積膨張率”を意味するのであるが,等方性物体では体積膨張率(α)と,長さ方向の膨張率,すなわち”線膨張係数”(β)との間には,α=3βの関係が成り立つことが知られている。
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そ(反)り Warp
@ プラスチック平面板が成形若しくは加工後ひずみにより凹状又は凸上に変化することをいい,辺に平行方向の変形を“そり”,対角線方向の変形を“ねじれ”という。
A 成形品の内部応力の緩和,又は収縮のために起こることが多い。
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